maria_55’s blog

Yahoo!ブログで2005年~2014年まで書いていました。こちらは保管用。更新いたしません。

宮古島の神歌と古謡

7/18 青山の草月ホールにて
宮古島の神歌と古謡」というコンサートを聴いてきました。
http://www.arion-edo.org/tsf/2009/program/m04/

沖縄県とひとくくりに言っても、島によって言葉も文化もまったく違うものなのですが
さらに、一つの島の中でもそれぞれの地区によってまた様々な文化があります。
今回のコンサートは宮古島の中でも「池間民族」と呼ばれる西原地区、佐良浜地区の神歌
さらには、多良間島の古謡と伊良部の民謡。

神歌といってもピンと来ない方のほうが多いですよね。私ももちろんそうでした。
沖縄には「御嶽(ウタキ)」と呼ばれる場所があり、そこで行われる祭祀の中で歌われるものだそうです。
この神事自体、滅多に見られるものではないのですが
神歌をしかも東京で聞くことができるなんて、こんな貴重な機会二度とないかも(!?)
自分のスケジュールが全く自由にならない状態だったので涙をのんで一度は諦めたのですが
急遽休みになり、本当に運よく前日に出たキャンセルのチケットをいただくことができました。
クイパラ事務局長のKさのさん、本当にありがとうございます^^

西原の神歌を歌うのはなんと87歳、91歳、93歳のおばぁトリオ。
去年レコードデビューしたことから「西原(ぬすはら)キャンディーズ」と呼ばれているとか。
かわいいにゃ(*´ー`)・・・なーんて思ったのもつかの間。
歌い始めてびっくりですよ。すごい声の艶。
言葉の意味は私にはほとんどわかりませんでしたが、それぞれとても長い歌なのに3人の息もぴったり。
しかも、途中から踊り・・というか振りつき。
91歳のトヨおばぁが立ち上がり、歌いながら両手を上げて・・下げて・・
客席もみんな同じようにやってみましたが、結構疲れるのですよ^^;
でも、おばぁの手は止まらない。すごいパワーだ^^;
「ヨーンテル ヨーンテル」と歌っているのを最初は「呼んでる??」と思ったのですが、
聞いてみたら「世の中を照らしてください→富でいっぱいになりますように」と祈っているそうですね。
このおばぁ達の歌に自然と涙する人も大勢いました。
歌・言葉だけでなく、日本人(うちなんちゅー含め)が忘れてしまった「心」があるような気がします。
宮古でもこういう神事を司る役目(ツカサンマと言うそうです)を受け継ぐ人がだんだんいなくなっているそうですが
できることなら残してほしいな。

続いては伊良部島の神童。10歳の譜久島雄太君による三線演奏と歌♪
母が三板、父が太鼓で脇を固めていましたが
三線も歌も上手~。舞台度胸もばっちりO(≧∇≦)Oです。
衣装が野球のユニフォームだったり(笑)、なりやまあやぐの歌詞が出て来なくて母を振り返るあたり
まだ子供らしさもあって可愛いなぁと思いましたが
いやいや、将来ホント楽しみですね~。
コンサート終わってからロビーで会いましたが、三線持っていない時はフツーの小学4年生でした。

多良間島宮古島石垣島の間にある小さな島。多良間ションカネーが有名ですよね。
うちの親戚にも多良間出身の叔母がいます。
ここも独自の古謡があるということですが、普段耳にする沖縄の民謡とは違った節まわし。
音律が少し西洋っぽい・・と表現していいのか。
二曲目のうぇーんまぬエーグがとっても綺麗な曲でした。
宮古の言葉って、私が聞きなれている(?)石垣と全然違い、荒々しいというか力強いイメージがありますが、
多良間の言葉は少し八重山寄りかもしれませんね。
歌のタイトルで「っふぁむり゜だー」というのもあり
それこそ読むのは無理だーヽ( ̄ー ̄ )ノなんて思っていましたが(笑)
独特な発音が今でも歌の中に残っているんですね。
さっきも書きましたが・・
受け継ぐのは難しいかもしれない。でも、やっぱり無くして欲しくない

そして、伊良部佐良浜地区の神歌
宮古島から伊良部島へ渡るフェリーが着くのが佐良浜港です。
ここは最も神事が頻繁に行われる地域だそうで、年間40回以上もあるんですって。
現役を卒業したばかりの元司の方々6名による神歌はこれまた素晴らしいものでした。
先の西原の神歌とは似てるけどちょっと違う。くいちゃーなども私達が知っている曲とは違っています。
やっぱりそれぞれの地区で大切に受け継いでいるものがあるんですね~。
皆さん、この歌を後世に繋いでいこうと活動されているようで、
ハーニーズ佐良浜というグループ名だそうです♪
キャンディーズにハーニーズ。うふふ。この親しみやすさが沖縄なのかも

最後は再び西原から
歌・三線の盛島宏さんも82歳ということなのですが、
驚いたのは太鼓&お囃子で91歳のおばぁが出てきたこと( ̄▽ ̄;)
普段から一緒に活動している70代の太鼓の方が来られないということで、
オーディションを行ったそうなのですが、一番上手だったのが友利サダさんだったとか。
太鼓のリズムはほとんど狂わないし、叩きながらお囃子もいれちゃうし
なんてパワフルなおばぁなんだw(°°)w
しかも、最後のクイチャーの時は踊りだした~。
元気なおばぁにこちらもたくさんの元気をいただきました。

最初に書いたとおり、沖縄には住む場所によって本当に様々な習慣・伝統・文化があります。
今回のコンサートで見られたのはその中のほんの一部。
うちの祖父母達が住んでいた村ともまた全然違うものなので、私が慣れ親しんでいる沖縄らしさを感じたというより、むしろ新鮮な驚きや感動を得られました。
宮古島、しかも西原はクイパラの仲本師匠の故郷。
ここで三線を習っているご縁で、素晴らしい文化に触れることができ本当に感謝です。

そうそう、プログラムにはさまれていたチラシをみていたら、
来年はこのメンバー総出演のドキュメンタリー映画を公開の予定だそうですよ~。
こちらも楽しみにしていましょう\(^○^)/