maria_55’s blog

Yahoo!ブログで2005年~2014年まで書いていました。こちらは保管用。更新いたしません。

★オペラ座の怪人★3/10(土) マチネ

キャスト
オペラ座の怪人・・・佐野正幸、クリスティーヌ・ダーエ・・・西珠美
ラウル・シャニュイ子爵・・・鈴木涼太、カルロッタ・ジュディチェルリ・・・種子島美樹
メグ・ジリー・・・西田ゆりあ、マダム・ジリー・・・秋山知子
ムッシュー・アンドレ・・・林和男、ムッシュー・フィルマン・・・小林克人
ウバルド・ピアンジ・・・半場俊一郎、ムッシュー・レイエ・・・喜納兼徳
ムッシュー・ルフェーブル・・・川地啓友、ジョセフ・ブケー・・・岡智



★★★これから観劇予定の方は読まないほうが・・楽しいかも★★★
3/21の東京千秋楽を目前になかなかチケットが手に入らない中
定価でお譲りいただける素敵な方と出会うことができました。
心から感謝♪

今回の座席は5列目8番。前から3列目の端から二つ目でかなり下手より。
確かに見づらい部分もありますが、これくらい前のほうだと役者さんのナマ声が聞こえちゃう。
マイクに乗っていない話し声(もちろん芝居上の)も聞こえてくる席でした。

開演と同時にすっと会場内が真っ暗になり、役者さんがそれぞれの立ち位置に出てくる。
あの暗闇の中で狂いもなくお互いにぶつかったりもせず配置に着くのは結構難しいのではないかしら?
なーんて思いながら(笑)のオークション場面。

ほの暗いステージ上で落札される数々の品の中、サルの手回しオルゴールを手に入れたラウル子爵が
「これが彼女がいつも言っていた・・」と歌いますが
このオルゴールの曲を聴いた時に彼が口ずさむのはその後ファントムが何度も使うモチーフ。
おそらくクリスティーヌと幸せな日々を送り、彼女を看取り、
年老いた今もなお、ラウルはファントムの呪縛から離れられないということでしょうか・・。

ミュージカルではよくあることだと思いますが
いくつかの旋律を随所でさまざまなカタチにアレンジし、物語の進行にスピードを加えていきます。
このオペラ座の怪人も実は曲の種類はそんなに多くないですよね。
組み合わせ、ハーモニーの変化によって色が違って聞こえるのは凄いと思うし面白い^^

そうそう。
前回9月に観た後にロンドン盤のCDをコピーしてもらい、しばらく聞いていましたが
その時にたまらなく好きになった箇所があります。

クリスティーヌがファントムに連れられ初めて地下室へ行くシーン。
お馴染みの「じゃーーーーーじゃじゃじゃじゃじゃーーーん トト(←バスドラ)」
のメロディーを二人で歌った後、
「俺のために歌え」とファントムが魔法をかけたかのようにクリスティーヌが広い音域で歌います。
最後ダブルハイEで絶叫した直後に入ってくるオルガンの不協和音。
ここですよ。ここ(笑)

不安・おそれ・ゆがみ・憎しみ・・この時点ではまだ小さくとも、
クリスティーヌの心にもファントムの心にも確かに存在していた「美しくないもの」が
初めて表面に出てくる瞬間だと思います。
やっぱり音の力って凄ーい。

そして、音に関して今回初めて気づいたこと。
物語の最後の方で、ファントムがラウルを罠にかけ、首をつった状態で
クリスティーヌに「二人のどちらかを選べ」と迫りますが
「私の心を見せてあげる」とクリスティーヌがファントムにキスをすると
その後は無機質なパーカッションのリズムのみになるんですね。
作曲家としてたくさんのメロディを作り、音楽の天使としてクリスティーヌの歌唱指導までしていた
ファントムの心から音がなくなってしまう。
どれだけ苦しかったでしょうね。ファントムは。

前回(9月)の感想を書いた時にはなんとなく
「ファントムはクリスティーヌに「醜いのは顔ではなく心」と言われて
正気にかえる部分があったのかしら?」と思っていたのですが
どんなに愛をあたえても愛する彼女は振り向いてくれず、
もしかしたら生涯最初で最後かも知れない愛する人とのキスは別れを意味するもので、
その上自分が最も自信を持っていた「音楽」さえも心から消えてしまう・・。
こんな苦しみの中、彼はその後どうしたのだろう?と心配になってしまいました^^;

何度観ても違う感想が生まれるのかも知れませんね。
それがミュージカルの醍醐味♪
今年初めての生観劇。最高のステージでした!