maria_55’s blog

Yahoo!ブログで2005年~2014年まで書いていました。こちらは保管用。更新いたしません。

第九と皇帝

12/21(木)
国際フォーラム ホールAでの「第九と皇帝」
・・歌ってきました。

まだ感動覚めやらぬような・・現実ではなくて夢だったかのような・・
ふわふわした気持ちが心に残っています。

今年初めての参加でしたのでいささか緊張もしていましたが
家で午前中にたっぷり発声練習をしてから行ったのでコンディションもOK
昼過ぎに会場に集合して荷物を置き、ステージに一度集合してから声だし
その後一時間近く休憩時間をはさんでからゲネプロ
時間はとても余裕があり、バタバタすることはありませんでした。

ステージに上がってみてまず感じたこと。
・・なんて広~~いホールだろうw(°°)w
ホールAは5000人も入るとのこと。二階席の後ろのほうなんて声が本当に届くのかしら?というくらい遠い。
いったいどれくらい埋まるんだろうなぁ?

そしてもう一つ、ひな壇・・高すぎて怖い・・^^;
今回何故か一番後ろの段のど真ん中になってしまったのですが
6,7段上ったら結構な高さ。
トロンボーン吹く時はもちろんひな壇の上ですが、たかだかニ段組ですものね。高さが違います。
幸い前の方から詰めていったら一番上を使わず一段下がることができたので安心できましたが
あのまま一番上だったら、後ろが気になって逆に倒れてたかも知れません(笑)

そしていよいよゲネプロ。初めてオケとあわせます。
ここで驚き・・。なんだかこのオケ?凄くいい音じゃないかしら?
チラシ等には'グレイトアーティスツ'としか書いていなかったので気づきませんでしたが
パンフを確認したら私でも名前を知っている人がたくさんいるではないですか!
N○K交響楽団の主席奏者が何人も・・それにトロンボーン箱○さんでしたしo(^。^)o

この音を聞いて、チケットの高さ(笑)とホールの広さに納得。
そしてこんなに素晴らしい演奏で歌えることに感謝!

ゲネプロが終わったのは18:00。もう開場時間。
第九の前に皇帝の演奏があるため、合唱団は一時間半ほど休憩時間があり
私は友人にチケットを手渡すために一度外へ。

外に出てびっくりしました。長蛇の列!!!
いったいどこまで続くの?何人並んでいるの??
友人に無事に会えて、更に並んでいるうちの両親とも会え「頑張って」の応援をもらう。

そしてついに本番。
リハーサル室で少しだけ発声をしてから整列しなおし、舞台袖へ。
ちょうど二楽章が始まったところなので「ランタタ タタタ タタタ・・」にあわせて足のマッサージ(笑)
三楽章からずっと立ちっぱなしになるので袖では靴も脱いで思いっきりリラックスして。

さぁ二楽章が終わったぞ。
上手・下手二箇所から入るため、なんと私が一番最初に出ることになる。(一番後ろの真ん中だから)
少し胸を張ってひな壇をあがりくるりと客席に向き直ってみたら・・。

うおぉぉぉ。客席9割以上埋まってる??凄い人数のお客様。
観に来てくれた友人は合唱団が微動だにしないことに驚いていましたが
私から見たら5000人近い人がいるのに、水をうったように静かなのも驚き。

ドキドキしながら(←私が演奏するわけではないのに)三楽章。
ゆったりとしたフレーズですが、ちゃんと音楽が前にすすんでいく。
少しテンポが速いかな?という気もしましたが、プロ奏者による淀みない演奏は本当に素晴らしい。
私の大好きなホルンの上昇フレーズも気持ちよく聞けて、「あぁこれが客席だったら」とか
「いやいやこんな近くで聞けるのは贅沢」とかいろんなことを考えてしまいました。
今まで第九を歌う時、気持ちが前に行ってしまっているので「早く四楽章にならないかな?」と
どうしてもこの楽章に耳が入って来ない部分がありましたが今回は本当に堪能。

三楽章が静かに終わり、再びタクトがあがると目の前で客席の空気が少し変わる。
四回目の第九にして初めて「オケの後ろに合唱団」=「ステージに立って客席と向かい合う」
という当たり前のスタイルを経験している訳ですが
第九はやはり四楽章を聞くために来ているお客様が多いのでしょうね。
(うちの両親なども四楽章の「あの」フレーズしか知らないですし^^;)

そして私が大好きな92小節目Allegro assai
ここが静かであればあるほど期待感がどんどん膨らんでいく。
弦楽器って凄いなぁ。あんなに大勢の奏者で弾いていても
p(ピアノ)の音量を超えることなく、フレーズの情熱だけを伝えている。

歓喜のメロディに加わる楽器がどんどん増えていく。
ファゴットの対旋律が本当に綺麗。
第九はダブルリードによる旋律がとても素敵だと改めて実感しました。

曲はふりだしに戻りいよいよ歌声が参加する。
あとは一生懸命歌うだけ。
自然と笑顔になっていた。
Mの部分(お馴染みの'Freude, schöner Götterfunken,Tochter aus Elysium・・')で心の中が空っぽになってしまい
フーガでは結局涙がこぼれてきてしまった。

前回二月にこの歌を歌ってから今日まで本当にいろんなことがあった。
楽しいこと・嬉しいことももちろんあったけど、今年はそれ以上に悲しいこと・辛いことも多かった。
涙の日々・眠れない日々、自分の中の「怒り」を抑え切れなくてとても苦しかった。

でも、こうしてまた第九を歌うことができた。

ありがとう。ありがとう。
今も私のまわりにいてくれる大大好きな人たち。
もう会えないかも知れないけど、一瞬でも共に楽しい時間を過ごした人たち。
喧嘩しちゃったけど、大切なことを教えてくれた人たち。


みんなみんなありがとう。

今回初めて最後までちゃんと歌うことができました。
5000人のお客様からの拍手は心にとても響いて・・。
「第九と皇帝」本当に素晴らしい演奏会でした。
客席で聞いていても満足だったでしょうが、このハーモニーの一部に参加できて幸せです。

音楽をしながら感傷的になり過ぎるのはあまりいいことでないとは思いますが
この歌は・・第九は私が私でいるためにこれからもきっと必要。

来年。また歌うことができますように。